馬祖/テイクオフ:「人が来なければ観光も…[社会]--東京NNA.ASIA

  • 2013-04-10
台湾 2013年4月10日(水曜日)
「人が来なければ観光もない。観光がなければ産業もない」――。中国・福建省対岸の離島、馬祖列島(連江県)の現状を訴える連江県長は語る。「カジノがなければ人は来ない」。
馬祖では昨年の住民投票でカジノの建設が可決され、江宜樺行政院長も「全力を尽くして4月中にも関連法の草案を可決させたい」と実現を急いでいる。ただ、法律で賭博を禁止している中国側は懸念を示しており、中台間の部分的な直接往来「小三通」方式による馬祖渡航の禁止も辞さないとして圧力をかけている。
台湾側はカジノ建設に向けた手続きを継続する方針を崩していない。ただ、これまで馬祖の経済を支えてきた軍隊は今後数年で撤退する上、さらに小三通も停止となれば、同地域には大きな打撃となる。カジノ計画の推進そのものが「賭け」にならないか。先行きを見守りたい。(秋)